| 概要 |
@何について何をする技術なのか?
鋼構造物の重防食塗装に必要な素地調整程度2種以上の素地を得るため、鉛・クロム等の有害物質を含有する既存塗膜を確実に除去・回収する技術。
A従来はどのような技術で対応していたのか?
ブラスト工法
従来型はく離剤(ジクロロメタン系)
B公共工事のどこに適用できるのか?
鋼製橋梁、水門扉、鉄塔など、塗装で防食されている鋼構造物の塗替え工事。((社)日本道路協会「鋼道路橋塗装・防食便覧」記載のRc-T塗装系塗替え工事など)
C特徴
a)安全性
本工法に用いるはく離剤の主成分は安全性が高く、労働安全衛生法(有機溶剤中毒予防規則)、PRTR法に非該当。
b)環境負荷
有害物質を含有する塗膜ダストの飛散が少なく、騒音の発生がほとんどない。
c)作業性
作業効率や塗膜回収率が非常に高く、低コスト。
d)廃棄物
産業廃棄物発生量がブラスト工法に比べて大幅に低減。
 はく離剤塗付後、塗膜が軟化しはく離し始めた状態 |
| 新規性及び期待される効果 |
@どこに新規性があるのか?(従来工法と比較して何を改善したのか?)
・ブラスト工法は研削材をぶつける事により塗膜を除去する方法であるが、本技術は湿潤シート状に軟化させて塗膜をはく離させる方法とした。
・はく離剤主成分をジクロロメタン系溶剤から、生分解性を有する高級アルコール系溶剤にした。
A期待される効果は?(新技術活用のメリットは?)
・従来のブラスト工法では塗膜ダストが発生し、その飛散対策が必要であったが、本技術は塗膜ダストが発生せず、飛散対策を簡略化することができた。
・生分解性を有する高級アルコール系溶剤を使用しているので、大気汚染や土壌汚染、水質汚染への懸念がなくなった。また、従来型はく離剤は、塗膜を一層毎しか溶解できないため、多数回はく離剤を塗付する必要があったが、本技術のはく離剤は多層塗膜にゆっくりと浸透し、湿潤シート状に軟化させるので、一度の塗付で500μm程度までの多層塗膜の除去・回収ができるようになり、作業効率が大幅に向上した。
 インバイロワン工法の原理 |
| 適用条件 |
@自然条件
日平均気温が10℃以上。
日平均気温が10℃以下の低温時は、加温する事によって施工可能。但し、結露面には適用できない。
A現場条件
特別な機器は使わないため、一般に現場塗替え塗装が行える条件であれば、制約はない。
B技術提供可能地域
技術提供地域については制限なし。
C関係法令等
消防法:指定可燃物(可燃性固体類) |
| 適用範囲 |
@適用可能な範囲
■道路構造物塗装系((社)日本道路協会「鋼道路橋塗装便覧」)による塗装系名称)
A塗装系塗膜およびB塗装系塗膜
■河川構造物塗装系
フタル酸系塗膜および塩化ゴム系塗膜(ジンクリッチプライマーより上の塗膜)
A特に効果の高い適用範囲
鉛・クロム等の有害物質を含むA塗装系、B塗装系塗膜
PCBを含むB塗装系塗膜(ジンクリッチプライマーより上の塗膜)
B適用できない範囲
ガラスフレーク系塗膜、無機系塗膜、ジンクリッチプライマー、ジンクリッチペイント
C適用にあたり、関係する基準およびその引用元
(社)日本道路協会「鋼道路橋塗装・防食便覧」、第7章 塗替え塗装、7.3.2 、@) p.U-93 |
| 留意事項 |
@設計時
本技術で塗膜を確実に除去するためには、除去対象の塗膜厚と気温等により、はく離剤の塗付量および軟化時間が変動する事があるので、事前調査のはく離試験を実施する必要がある。
※初回登録のNETISについては素地調整程度を1種としておりましたが、さびや黒皮の除去ができないため素地調整程度2種相当に変更しています。
A施工時
・施工時の塗膜厚は事前調査における塗膜厚と一致しない場合があるため、施工部位ごとに膜厚を確認し、塗付量・軟化時間を設定する必要がある。
・インバイロワンで軟化した塗膜の除去について、溶接部やリベット部等の凹凸部分については、塗膜厚が平滑部に比較し極端に厚く、スクレーパー等の手工具の作業性が著しく低下する。そのため、これらの部分についてはバキュームブラスト工法等の併用が有効である。
・狭隘部は塗膜除去・再塗装等が不可能であるため、インバイロワンが進入しないよう、養生をする。
B維持管理等
なし
Cその他
・本技術で塗膜を除去した後に、鋼板に残存する黒皮およびさびについては、再塗装の際にスイープブラストまたは電動工具等による素地調整が必要である。
※黒皮とは、鋼材の圧延時に表面に生成する酸化皮膜のことであり、昭和30年代までの鋼材にあることが多い。重防食塗装系の防食下地であるジンクリッチペイントを適用するためには、これをブラスト等で除去する必要がある。
・特許使用料として、直接工事費の4%がかかります。 |