| 概要 |
@何について何をする技術なのか?
一般に落石防護構造物に要求されている落石エネルギーは1MJ以下が大半であり、1.5MJまで対応できればほとんどの要求に応える事ができると推察されます。(注)『第2回落石等による衝撃問題に関するシンポジウムNO43論文』
メガロックキーパーは、落石の恐れのある道路脇等に設置し、飛来する落石から人命や車両等の財産を護るPC製の落石防護構造物です。
A.規模の大きい落石については、少なくとも1.5MJ(メガジュール)程度までは対応可能である事を、実物モデルによる実証実験で確認しています。その際の構造物の状態は、通常の補修で再利用できる程度の損傷であり、構造物が実際に破壊に至るまでには相応の安全余裕を保持しています。
B.規模の小さい落石については、120KJ程度であれば構造物は弾性応答するので、補修や取替は不要であり、構造物上に溜まった落石群も容易に除去できます。
C.メガロックキーパーの主梁と柱は、専門工場で製作された高品質のプレキャスト部材であり、鉄筋のかぶりも50mm以上確保されており、一定の塩害対策も未然に準備されており、総じて耐久性の高い構造物となっています。
A従来はどのような技術で対応していたのか?
近年落石防護構造物として使用されているものに、高エネルギー吸収柵があります。鋼製のネット、ワイヤー、支柱等を組み合わせた構造物であり、使用材料や組立方法の異なり等により複数のタイプが存在しており、道路脇或いは斜面中腹に設置されています。
A.規模の大きい落石については、0.5〜1.5MJ前後の範囲で性能表示されているものが多く、メガロックキーパーと同様に実験で性能を担保しているものが多いですが、中には破壊に近い領域で性能を表示しているものもあり、それらの安全余裕はそう多くは望めません。鋼部材の変形・変位でエネルギー吸収させるため、道路際に設置出来ない等の適用制限を受ける場合もあります。
B.規模の小さい落石については、局部損傷や変形が生じれば、補修や取替が必要となります。柵の背面に溜まった落石群は、特に斜面中腹に構造物が設置された場合、事実上除去が難しい状況です。
C.高エネルギー吸収柵の構成部材は、ほとんどが鋼製であるため、腐食による機能損失や耐久性の低下が懸念されています。
B公共工事のどこに適用できるのか?
落石の恐れのある道路、及び急傾斜地に適用できます。
 メガロックキーパーの全景 |
| 新規性及び期待される効果 |
@どこに新規性があるのか?(従来技術と比較して何を改善したのか?)
道路脇に設置される落石防護構造物に際して、耐落石衝撃に優れた性能を持つ構造物を開発し、サンドクッションによる緩衝効果と合わせて安全信頼度に富む構造体を提供し、耐落石の効果を実物実験で実証しました。
A期待される効果は?(新技術活用のメリットは?)
A.規模の大きい落石に対して……メガロックキーパーを開発し実物で実験検証した結果、構造物が保有する耐力や安全余裕の度合が明らかとなり、安全に対する信頼性が高い構造物を提供できます。
B.規模の小さい落石に対して……サンドクッションを介するため落石の直撃による構造物の損傷はありえず、弾性領域での挙動により、構造部材の補修・取替は不要となります。また、小落石が頻繁に発生した場合でも、構造物上に溜まった落石群や土砂を容易に除去することができます。
C.積雪に対して……斜面に積もった雪のグライドによる構造物の変位変形や、雪の沈降力による構造物の損傷の懸念が不要であり、豪雪地帯にも適した落石防護構造物を提供できます。
D.維持管理に対して……主梁・柱は専門工場で製作されたプレキャストPC部材であり、高い品質を保証できます。腐食による機能損失の懸念が不要であり、維持管理性能に優れ、ライフサイクルコストが低い構造物を提供できます。
E.施工性に対して……工場製作された主梁・柱を現場で組み立てるだけのプレハブ工法なので、現場交通の規制を最小限に抑える事ができます。
 メガロックキーパーの横断図 |
| 適用条件 |
@自然条件
・落石発生の恐れのある斜面の法尻部に適用できます。
・積雪地域にも適用できます。
A現場条件
・道路に対しては、道路平面線形や道路縦断線形の如何を問わず、現地条件に合わせた施工が可能です。
・急傾斜対策では、構造物の設置スペースが確保でき、クレーン等の重機が近接できれば施工が可能です。
B技術提供可能地域
・日本全国に提供可能です。
C関係法令等
・特にありません。 |
| 適用範囲 |
@適用可能な範囲
・想定される落石の規模は、1.5MJ(=1500KJ)以下であり、それを上回る落石が斜面にあれば予防工等の併用が必要となります。
A特に効果の高い適用範囲
・1.5MJ以下の落石が繰り返し頻繁に発生する斜面では、特に効果的です。
B適用できない範囲
・想定される落石の規模が1.5MJを上回るような大規模落石や岩盤崩壊がある斜面。
・想定される落石の跳躍軌跡が、構造物の載荷可能領域を超え、落石が飛び越えるような斜面地形。
C適用にあたり、関係する基準およびその引用元
・道路土工指針(日本道路協会)
・落石対策便覧(日本道路協会) |
| 留意事項 |
@設計時
・メガロックキーパーは、現場条件を考慮して設計を行う必要があります。
・メガロックキーパーは、道路等の防護対象をすっぽり覆う構造ではありません。そのため、設計では最大規模の落石荷重をチェックするほか、特に斜面角度が複雑に変化している場合は、構造物を飛び越えるような落石が発生しないことを、落石シミュレーション等で確認することが必要となります。
・メガロックキーパーは、実物実験によって耐落石性能を保証しているので、主梁・柱・下部工竪壁・各接合の形状、配筋、材質は、実験で保証されたもので設計を行う必要があります。
A施工時
・メガロックキーパーの主梁は高強度コンクリートを使用したプレテンション方式のPRC部材、柱は高強度コンクリートを使用したポストテンション方式のPRC部材であるので、必要設備と技能を有する専門工場で部材を製作する必要があります。
B維持管理等
・主梁、柱、下部工等の構造物は道路脇に設置されており、また耐久性も高いので、構造物としての維持管理は、定期点検や震災後等の異常時点検で目視によるチェックで変状の有無を確認できます。
・山側斜面については、斜面地形や落石予備物質の状態が経時変化することもあるので、定期点検時や異常時点検時に設計条件との照合を行う必要があります。
Cその他 |