概要 |
@何について何をする技術なのか?
・機体制御技術とICT技術を活用した全自動ブレード制御機能搭載ブルドーザ
A従来はどのような技術で対応していたのか?
・オペレータの目視によりブレードを手動操作するブルドーザの運転
B公共工事のどこに適用できるのか?
・土工作業全般
Cその他
・従来のマシンコントロールブルドーザとの比較
1)従来のマシンコントロールブルドーザ
測量機器によるブレード位置の自動制御であり、ブレードに負荷が掛かるとシュースリップが発生するため、自動制御は主に仕上げ整地作業での整地制御であった。
2)インテリジェント・マシン・コントロール ブルドーザ
ブレード自動制御の適用範囲を拡大するために測量機器によるブレード位置の自動制御にブレード負荷制御などの機体制御を付加した。
これによりシュースリップを防ぎ、整地の仕上作業だけでなく、掘削から仕上げ整地、敷均し作業を含む全てのブレードコントロールを自動化している。
・対応機種: インテリジェントマシンコントロールブルドーザ仕様一覧の通り。
インテリジェントマシンコントロールブルドーザ仕様
| D37PXI-23 | | D61PXI-23 | | D65PXi-18 | | D65EXi-18 | D85PXi-18 | D85EXi-18 | D155AXi-8 | D37PXi-24 | | D51PXi-24 | D61PXi-24 | |
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| 湿地(標準ブレード) | 湿地(ナローブレード) | 湿地(折畳ブレード) | 湿地(一体型ブレード) | 湿地(折畳ブレード) | 湿地(一体型ブレード) | 乾地(シグマ) | 湿地(標準ブレード) | 乾地(シグマ) | 乾地(強化シグマ) | 湿地(標準ブレード) | 湿地(ナローブレード) | 湿地(標準ブレード) | 湿地(折畳ブレード) | 湿地(一体型ブレード) |
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走行駆動方式 | HST | HST | HST | HST | HSS | HSS | HSS | HSS | HSS | HSS | HST | HST | HST | HST | HST |
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機械質量[kg] | 8860 | 8820 | 19250 | 19010 | 23300 | 22100 | 20800 | 29450 | 30520 | 42880 | 9300 | 9270 | 14120 | 19680 | 19410 |
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定格出力[kW] | 66.1 | 66.1 | 125 | 125 | 162 | 162 | 162 | 197 | 197 | 264 | 66.1 | 66.1 | 97.6 | 125 | 125 |
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履帯幅[mm] | 600 | 600 | 860 | 860 | 760 | 915 | 610 | 910 | 610 | 560 | 600 | 600 | 710 | 860 | 860 |
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ブレード型式 | パワーアングル・パワーチルト(可変ピッチ) | パワーアングル・パワーチルト(可変ピッチ) | 折畳式パワーアングル・パワーチルト(可変ピッチ) | パワーアングル・パワーチルト(可変ピッチ) | 折畳式パワーアングル・パワーチルト | ストレートチルト | シグマ | ストレートチルト | シグマ | デュアルチルト強化シグマ | パワーアングル・パワーチルト(可変ピッチ) | パワーアングル・パワーチルト(可変ピッチ) | パワーアングル・パワーチルト | 折畳式パワーアングル・パワーチルト(可変ピッチ) | パワーアングル・パワーチルト(可変ピッチ) |
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ブレード幅[mm] | 3200 | 2875 | 3860 | 3860 | 4010 | 3970 | 3410 | 4355 | 3575 | 4060 | 3200 | 2875 | 3350 | 3860 | 3860 |
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ブレード高さ[mm] | 835 | 835 | 1155 | 1155 | 1235 | 1100 | 1425 | 1400 | 1665 | 1880 | 835 | 835 | 1120 | 1155 | 1155 |
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 インテリジェントマシンコントロール概要 |
新規性及び期待される効果 |
@どこに新規性があるのか?(従来技術と比較して何を改善したのか?)
・施工面の指示を、施工現場に設置する丁張から、パソコンで作成する3次元設計データ(電子丁張)に変えた。
・ブルドーザのブレード制御を、オペレータの手動操作から、ブレード負荷制御、シュースリップ制御などを含む機体制御技術とGNSS測位等のICT技術を活用した全自動ブレード制御に変えた。
A期待される効果は?(新技術活用のメリットは?)
・パソコンで作成する3次元設計データ(電子丁張)に変えたことにより、施工面がモニターに表示されるために丁張、補助員が削減され、省力化が期待できる。
・パソコンで作成する3次元設計データ(電子丁張)に変えたことにより、施工面がモニターに表示され、丁張作業等の作業が削減されるので、補助員が現場に立ち入る頻度が少なくなるため、作業環境の向上が期待できる。
・ブレード負荷制御、シュースリップ制御などを含む機体制御技術とGNSS測位等のICT技術を活用した全自動ブレード制御に変えたことにより、仕上げ作業の時間が削減されることで日当たり施工量が増加し、経済性の向上及び工程の短縮が期待できる。
・ブレード負荷制御、シュースリップ制御などを含む機体制御技術とGNSS測位等のICT技術を活用した全自動ブレード制御に変えたことにより、ブレード刃先が自動制御されることで設計データになるように施工され、施工精度の向上が期待できる。(下図のインテリジェントマシンコントロールの流れを参照。)
 インテリジェントマシンコントロールの流れ |
適用条件 |
@自然条件
・特になし
A現場条件
・基準局を設置する場合は、2m×2m程度の設置面積が必要である。
B技術提供可能地域
・技術提供地域については制限なし。
C関係法令等
・特になし |
適用範囲 |
@適用可能な範囲
・土工作業全般
・天空の開けた所
A特に効果の高い適用範囲
・丁張設置が多く複雑な現場
・縦横断の設計勾配が複雑な現場
B適用できない範囲
・土工全般以外
・天空が開けている、無線が届く、携帯電話の通信圏内などのGNSS利用の条件が満足できない現場
C適用にあたり、関係する基準およびその引用元
・ARIB STD-T98 (社)電波産業会 平成24年(通信手段によっては本規格によらない場合もある。) |
留意事項 |
@設計時
・取扱説明書の内容を十分に理解し遵守する。
・インテリジェントマシンコントロールブルドーザ車両本体の他に、GNSS基準局(GNSSアンテナ、GNSS受信機、無線機)やネットワーク型RTK等、GNSS補正情報を取得する機器が必要である。
・現場環境、工期等から、GNSS基準局方式、ネットワーク型RTK方式のどちらを採用するか検討する。
・マシンコントロール用3次元設計データを施工前に作成する必要がある。設計データ作成は専用のソフトを購入して使用する。
・基準局を設置する基準点、ローカライゼーション用基準点(施工現場を囲む4か所以上)が必要である。
A施工時
・取扱説明書の内容を十分に理解し遵守する。
・取扱説明書を熟読し、初めて使う場合は必要に応じて初期指導を受けることを推奨する。
・GNSS補正情報を取得するためのGNSS基準局、あるいはネットワーク型RTKが必要である。
・日々の施工前あるいは1日のうちの適宜、ストロークセンサ付きシリンダリセットや基準杭でのブレードの高さ確認などが必要である。
・硬土、凍土の掘削および深堀作業、倒木、抜根作業には適さない。
B維持管理等
・刃先や足回りに摩耗がある場合は、その量を測定してモニターへ入力して補正することが必要である。
Cその他
・特になし |