概要 |
@何について何をする技術なのか?
法面に金網を設置した後、グラスタンド(鉄製固定具)を用いて鉄筋を組立て、鉄筋及びグラスタンドに沿ってモルタルを吹き付けて欠円状の枠を形成し、枠内に植生基材吹付を行い緑化する。
A従来はどのような技術で対応していたのか?
従来は金網・線材による型枠を用いた現場吹付法枠工で対応していた。
型枠を使用するため、地山の凹凸に追従しにくい。
B公共工事のどこに適用できるのか?
道路、ダム、林道、砂防、治山、河川、宅地造成、地滑り対策などの事業で生じた法面(切土・盛土)または自然斜面に適用できる。
Cイージーシェルフ工法に使用する鉄製固定具の種類
・規格等の詳細は「イージーシェルフ工法技術資料」に掲載しております。
主鉄筋本数:2本、枠断面:幅350mm×高さ150mm 用 ・・・ 「グラスタンドA」
主鉄筋本数:1本、枠断面:幅300mm×高さ100mm 用 ・・・ 「グラスタンドB」
主鉄筋本数:3本、枠断面:幅350mm×高さ200mm 用 ・・・ 「サンボ」
(グラスタンドA、グラスタンドBは総称してグラスタンドと表記)
 イージーシェルフ工法 概要 |
新規性及び期待される効果 |
@どこに新規性があるのか?(従来技術と比較して何を改善したのか?)
型枠は不要で鉄筋と鉄製固定具を使用する。
型枠を使用しないため、鉄筋を自然斜面等の凹凸に追従させやすく鉄筋位置を適正に保持しつつ柔軟に作業対応できる。
断面形状が欠円状のため植生により枠が隠れやすく、表面水の排水性に優れる。
A期待される効果は?(新技術活用のメリットは?)
法面への降雨や風化などによる表層の浸食や小規模崩落を防止し、枠内の植生基盤材の安定を図ることで植生の生育が可能な法面保護工である。
型枠を用いず骨組みは鉄筋と鉄製固定具(グラスタンド・サンボ)だけを使用するので、鋼材の使用量が軽減されるとともに、施工性がよく工期短縮による経済性の向上を期待できる技術である。
鉄製固定具(グラスタンド・サンボ)は約2mm厚の鉄板製のため、法面での作業条件でも変形しにくく、一般的な線材で作成された型枠とは異なり脚部が地山にささることもないため、設計通りの鉄筋位置を確保し易い。
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適用条件 |
@自然条件
水没あるいは波浪の影響を受けない法面に対応。
耐凍害性も図っていますが原則として厳冬期の施工は避けること。
A現場条件
吹付プラントのスペースはおよそ4m×30m=120m2程度必要である。
B技術提供可能地域
日本全国技術提供可能
C関係法令等
特になし |
適用範囲 |
@適用可能な範囲
土砂、軟岩からなる安定勾配に切土された法面や、すべり及び崩壊の恐れがない自然斜面
A特に効果の高い適用範囲
斜面上の樹木を保全したい箇所等には枠の融通性が高く、ある程度の凹凸面でも施工可能なため特に作業性に優れる。枠と地山が密着しているため浸食・洗掘に強く、緑化基礎工として適用する場合には、特に建設コストの低減効果が高い。
B適用できない範囲
安定勾配が確保できない斜面。
C適用にあたり、関係する基準およびその引用元
1.(社)日本道路協会:道路土工 切土工・斜面安定工指針
2.(社)全国特定法面保護協会:のり枠工の設計・施工指針
3.土木学会:コンクリート標準示方書
4.フリーフレーム協会:フリーフレーム工法設計施工の手引き |
留意事項 |
@設計時
断面計算を行い、算出された想定崩壊規模に対応したタイプを選定すること。
A施工時
鉄製固定具(グラスタンド・サンボ)を必ず使用し、設計鉄筋位置、出来型を確保すること。
B維持管理等
特になし
Cその他
特になし |