概要 |
@何について何をする技術なのか?
・含水が高く、その状態のままでは施工に不適な土砂の水分を低減させます。
・含水が高い土砂を自走式土質改良機(20t級)に投入して、その攪拌中に圧縮空気を攪拌室へ強制送風して水分を飛ばします。
・機械撹拌と強制送風により土砂内水分を低減させる技術です。
・事前の土質改質無しに施工に適する土砂へ改善させます。
A従来はどのような技術で対応していたのか?
従来は土砂の水分を変化させる為に以下の作業を事前に行っていました。
・天日や自然風にて曝気します。
・石灰の熱反応により水分を飛ばす。
これらは時間、手間やコストが多く掛かる方法です。
B公共工事のどこに適用できるのか?
主に土工に適し、盛土、路盤、築堤などの土を所定の締固め度にする必要がある工事に適用が期待できます。
 新技術 概略図 |
新規性及び期待される効果 |
@どこに新規性があるのか?(従来技術と比較して何を改善したのか?)
1)新規性
○土砂の改質が容易
・送風による含水比低減
・送風+良質土砂+不適土砂または、送風+2種混合による含水低減
○自走式土質改良機(20t級)の利用
・高精度攪拌により、土砂が粉砕されて供給できますので、そのあとの作業性の向上が期待出来ます。
・均一な品質の改良土を安定供給出来ます。
・供給量が安定している為、工程の把握や工期短縮が期待できます。
2)従来比較・改善
○自然乾燥(曝気)との比較
・曝気の場合天候により乾燥状況は大きな影響(費用、時間)がありますが、自走式土質改良機(20t級)での作業の為に多少の悪条件では問題なく安定供給できます。
・通常積み上げた土砂を自然乾燥する場合、その内部の含水比は変化しにくいのですが、自走式土質改良機(20t級)による改質の為、含水比に低減均一化された土砂を安定供給出来ます。
・概ね5m×15mの作業ヤード(自走式土質改良機の作業展開範囲)で安定供給出来ます。改質された土砂は10t級ダンプトラックに積込み後に供給先へただちに出発出来ます。改良した土をストックする場合はその量に応じたスペースを必要とします。
・石灰などの土質改質材を併用して含水比を改善する場合、その材料費を余分に計上しなければなりませんが、その費用を削減でき経済的です。
・土砂の再利用に関しまして、その改質土が発生土利用基準の各土質区分基準へ近付ける事が出来る効果(例;第4種→第3種に近づく)が期待できます。(ただしその土質により異なります)
・自走式土質改良機(20t級)と改質された土砂を運搬する車両が展開できる作業ヤード(概ね5m×15m)があれば、広大なストックヤードが必要としません。
・改質材を使用しませんので、粉塵飛散及び土壌のph変化などの環境問題にも効果が期待できます。
A期待される効果は?(新技術活用のメリットは?)
・高精度攪拌及び攪拌室への強送風による均一な含水比低減効果、改良土の品質向上及び施工性が向上します。
・自走式土質改良機を使用することで改良土を安定供給が可能となり、工程管理、工期短縮を容易にします。
・通常含水比を低減する場合は曝気または添加材を使用するが新技術は設備(コンプレッサー×2台)を増設するだけの為、費用を削減でき経済性が向上します。
 新技術施工状況(全景) |
適用条件 |
@自然条件
施工中に降雨があった場合は施工を中止します。
改質して出来た土砂の降雨対策として、水分が土砂に入らないように、ビニールシートなどで覆う必要があります。
A現場条件
自走式土質改良機(20t級)と改質土を運搬する車両が作業展開出来るヤードが必要です。
概ね5m×15m程度の作業ヤードを必要とします。
ただし使用機械は自走できますので、関係者同士の打合せによりますが、作業ヤードの大きさが上記のとおりでなくとも対応は可能です。
B技術提供可能地域
日本全国技術提供可能で施工を行えます。
C関係法令等
無し |
適用範囲 |
@適用範囲
現地発生土、購入土砂、泥土及び浚渫土など液性限界以下となる含水比の土質
A特に効果の高い適用範囲
改質対象土の自然含水比が、予定された締固め率の含水比を数%程度、湿潤側に偏っている土砂に高い効果を期待できます。
(例:締固め率90%の土砂の最適含水比が22%の場合、その自然含水比が32%の場合など)
B適用できない範囲
土砂が液状の場合、もしくは液体は適用できません。
C適用にあたり関係する基準および引用元
「建設発生土利用技術マニュアル」(土木研究所編著)
「建設リサイクル法」(法律第104号建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)
「道路土工-施工指針」(社)日本道路協会昭和61年11月発行
「アスファルト舗装要網(社)日本道路協会平成4年12月発行 |
留意事項 |
@設計時
・ 原料土が液体状態(液状になる最小の含水比状態)でなければ施工が可能です。
・ 適用範囲・条件を満たしている土質に対応出来ます。
・ 一回の施工で5%程度の含水比を低減する技術の為、含水比を10%以上変化させたい場合は安定処理工法に変更することが望ましいです。
A施工時
施工中に降雨があった場合は施工を中止した上で、降雨対策を行います。
B維持管理等
改質された土砂をさらに長期間保管する場合はその土砂をシートなどで覆う必要があります。
Cその他
ありません。 |