概要 |
@何について何をする技術なのか?
・土工用振動ローラの安全装備を向上させた締固め技術。
A従来はどのような技術で対応していたのか?
・施工装備が優先された土工用振動ローラ。
B公共工事のどこに適用できるのか?
・土木工事における締固め工全般。
Cその他
安全性向上技術
・3系統ブレーキシステム:@ブレーキペダルA前後進レバーB駐車ブレーキスイッチの3系統から車両を制動でき、迅速に緊急停止が行え接触事故を防止する。
・バックブザー:車両が後進していることを周辺作業員に注意喚起し接触事故を防止する。
・方向指示ウィンカー:施工現場内での進行方向の意思表示を確実にすることで巻き込み事故を防止する。
・日本国内中波(AM)、超短波(FM)対応ラジオ:大型地震発生時等の緊急速報を受信し、迅速な避難を可能にする。
・前後進レバーニュートラルロック機構:前後進の走行方向の切替レバーの中立位置にロック機構を付加し、進行方向の誤動作を低減し、接触事故を防止する。
・エンジンルーム点検/整備用歩み板:タイヤ上からのエンジンルーム内の点検/整備から、専用歩み板からのアクセスにより落下事故を防止する。
・視認性向上車両形状:車両前後端部より1m地点で、高さ1m以下の物体を目視確認可能とし、接触事故を防止する。
・ROPS(転倒時保護構造):車両転倒時の運転席の押し潰れを防ぎ、シートベルトを締めた運転手の安全を確保する。
・トラクションコントロール機構、又はデフロック機構:駆動輪のスリップを防止でき、施工時の安全性を確保する。
締固め性能向上技術
以下に締固め性能を向上させるため、特定機種に標準装備とした技術を記述する。
・垂直振動機構
振動輪内に2本の偏心軸を配置し、それらを同調させながら対向回転させることにより、
上下振動のみを発生するようにしたものである。
これらにより、振動機構の振幅値の増加が図れ、締固め効果の向上に寄与する。
1軸振動型では円振動を発生するためロール接地点において鉛直方向だけでなく前後方向の反力も生じる。
垂直振動型の場合、完全な鉛直方向の反力のみが生じるため、車両の安定性が非常に良くなる。
よって次に記述するような利点がある。
1)操向性や低速走行時の直進性の向上。
2)運転手や近隣住民への振動伝播の低減。
3)車両に与える振動の低減による、機械耐久性の向上。
概略仕様
型式名称 | 運転質量(kg) | 締固め幅(mm) | 起振力 Low/High(kN) | 振幅 Low/High(mm) | 定格出力(kW) | 摘要 | SV512D-1 | 11,950 | 2,130 | 181/260 | 0.92/2.18 | 110.4 | 標準機(フラットロール) | SV512DV-1 | 12,200 | 2,130 | 230/308 | 1.12/2.47 | 110.4 | 垂直振動装備 | SV512T-1 | 11,900 | 2,130 | 181/260 | 0.93/2.19 | 110.4 | タンピングロール | SV512TV-1 | 12,250 | 2,130 | 230/308 | 1.11/2.44 | 110.4 | 垂直振動+タンピングロール | SV512TF-1 | 14,100 | 2,130 | 181/260 | 0.62/1.47 | 110.4 | タンピング/フラットロール切替可能 | SV900D | 19,300 | 2,150 | 245/343 | 0.9/1.9 | 126.0 | 標準機(フラットロール) | SV900DV | 19,700 | 2,150 | 343/343 | 1.8/2.3 | 126.0 | 垂直振動装備 | SV900T | 19,500 | 2,150 | 245/343 | 0.9/1.8 | 126.0 | タンピングロール | SV900TV | 20,000 | 2,150 | 343/343 | 1.7/2.2 | 126.0 | 垂直振動+タンピングロール | SV900D-1 | 19,450 | 2,130 | 245/343 | 1.0/1.9 | 137.5 | 標準機(フラットロール) | SV900DV-1 | 19,950 | 2,130 | 343/343 | 1.8/2.3 | 137.5 | 垂直振動装備 | SV900T-1 | 19.650 | 2,130 | 245/343 | 1.0/1.9 | 137.5 | タンピングロール | SV900TV-1 | 20,160 | 2,130 | 343/343 | 1.8/2.3 | 137.5 | 垂直振動+タンピングロール | SV513D | 11,800 | 2,130 | 172/255 | 0.97/1.97 | 119 | 標準機(フラットロール) | SV513T | 11,900 | 2,130 | 172/255 | 0.95/1.94 | 119 | タンピングロール | SV513TF | 13,900 | 2,130 | 172/255 | 0.62/1.94 | 119 | タンピング/フラットロール切替可能 |  高安全性土工用振動ローラ(垂直振動・SV900DV) |
新規性及び期待される効果 |
@どこに新規性があるのか?(従来技術と比較して何を改善したのか?)
・3系統ブレーキシステムを標準装備とした。
・バックブザーを標準装備とした。
・方向指示ウィンカーを標準装備とした。
・日本国内中波(AM)、超短波(FM)対応ラジオを標準装備とした。
・前後進レバーニュートラルロック機構を標準装備とした。
・後輪タイヤ上からのエンジンルーム内点検を標準装備の点検/整備用歩み板上からできる様にした。
・視認性向上車両形状を標準装備とした。
・ROPS(転倒時保護構造)を標準装備とした。
・トラクションコントロール機構、又はデフロック機構を標準装備とした。
・垂直振動機構を採用した。
A期待される効果は?(新技術活用のメリットは?)
・3系統ブレーキシステムを標準装備としたことにより、迅速に緊急停止が行え接触事故を防止できる。
・バックブザーを標準装備としたことにより、車両後進時に周辺作業員に対して注意喚起ができ、接触事故を防止できる。
・方向指示ウィンカーを標準装備としたことにより、施工現場内での進行方向の意思表示を確実にでき、巻き込み事故を防止できる。
・日本国内中波(AM)、超短波(FM)対応ラジオを標準装備としたことにより、大型地震発生時等の緊急速報を受信でき、迅速な対応(避難等)ができる。
・前後進レバーニュートラルロック機構を標準装備としたことにより、車両の誤動作を低減でき、接触事故を防止できる。
・エンジンルーム内点検を標準装備の点検/整備用歩み板からできるため、安全に点検整備ができ、車両上からの落下事故等を防止できる。
・視認性向上車両形状を標準装備としたことにより、車両前後端部より1m地点で、高さ1m以下の物体を目視確認でき、接触事故を防止できる。
・ROPS(転倒時保護構造)を標準装備としたことにより、車両転倒時に運転席の押し潰れを防ぐことができ、シートベルトを締めた運転手の安全を確保することができる。
・トラクションコントロール機構、又はデフロック機構を標準装備としたことにより、駆動輪のスリップによる施工中断を防止でき、施工性が向上する。
・通常振動から垂直振動機構としたため、締固めエネルギーを鉛直方向のみに制御でき、地盤振動の振動伝播の低減ができる。
・通常振動から垂直振動機構としたため、振動転圧時の振幅値を増加でき、締固め効果が向上した。
安全装置の期待される効果
安全装備 | 効果 | メリット | 装備状況 |
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3系統ブレーキシステム | 迅速に緊急停止可 | 接触事故の防止 | 標準装備 |
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バックブザー | 周辺作業員への注意喚起 | 接触事故の防止 | 標準装備 |
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方向指示ウィンカー | 進行方向の意思表示 | 巻き込み事故防止 | 標準装備 |
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日本国内中波/超短波対応ラジオ | 緊急速報の受信 | 迅速な避難対応可 | 標準装備 |
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前後進ニュートラルロック機構 | 車両誤作動の低減 | 接触事故の防止 | 標準装備 |
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エンジンルーム点検/整備用歩み板 | 安全な点検整備 | 落下事故の防止 | 標準装備 |
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視認性向上車両形状 | 車両前後の視認が向上 | 接触事故の防止 | 標準装備 |
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ROPS(転倒時保護構造) | 車両転倒時の運転席の押し潰れを防止 | 運転手の安全確保 | 標準装備 |
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トラクションコントロール機構 | 駆動輪のスリップ防止 | 施工性の向上 | 標準装備 |
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デフロック機構 | 駆動輪のスリップ防止 | 施工性の向上 | 標準装備 |
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垂直振動機構 | 振動伝播の低減 | 振動公害の抑制 | 特定機種に標準装備 |
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垂直振動機構 | 振幅値の増加 | 締固め効果の向上 | 特定機種に標準装備 |
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 トラクションコントロール機構(上)と振動機構(下) |
適用条件 |
@自然条件
・特になし。
A現場条件
・特になし。
B技術提供可能地域
・技術提供地域については制限なし。
C関係法令等
・労働安全衛生法 |
適用範囲 |
@適用可能な範囲
・土木工事における締固め作業。
A特に効果の高い適用範囲
・厚層締固め。
B適用できない範囲
・道路交通法が関係する道路工事。(車検取得不可)
C適用にあたり、関係する基準およびその引用元
・安全衛生法によるローラ特別教育。
・道路土工 施工指針。 |
留意事項 |
@設計時
・従来のローラと同等。
A施工時
・運転作業に関しては、ローラ特別教育を受講すること。
B維持管理等
・作業輪のスクレーパ等の保守、点検。
・油脂類の保守、点検。
Cその他
・特になし。 |
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