概要 |
@何について何をする技術なのか?
コンクリートまたはモルタルにポリプロピレン製合成短繊維を添加することにより、収縮ひび割れを抑制/低減する技術です。併せて、コンクリート片の剥落防止機能、靭性能が付与されます。
A従来はどのような技術で対応していたのか?
・プレーンコンクリート
・鋼繊維
B公共工事のどこに適用できるのか?
収縮ひび割れの低減を必要とするコンクリートまたはモルタル部材。
Cその他
○簡易作業性
・鋼繊維に比べ密度が小さいので、材料の運搬作業、取扱作業が容易に行えます。
・梱包袋のままアジテータ車に直接投入できます。
○安全性
・プラスチックなので、錆が発生しません。
・耐硫酸性、耐アルカリ性および耐海水性に優れています。
・燃焼しても有毒ガス(ダイオキシン類、塩化水素ガス等)の発生はありません。
バルリンクの諸元
項目 | 単位 | 諸元 | 素材 | | ポリプロピレン | 円換算直径 | μm/単糸あたり | 42.6 | 繊維長 | mm | 12 | 密度 | g/cm3 | 0.91 | 引張強度 | N/mm2 | 390 | 弾性係数 | N/mm2 | 5,000 | 融点 | ℃ | 160〜170 | 形状(梱包時) | | 連糸形状 | 吸水性 | | なし |  バルリンク |
新規性及び期待される効果 |
@どこに新規性があるのか?(従来技術と比較して何を改善したのか?)
・コンクリートまたはモルタルにポリプロピレン製合成短繊維を添加する。
A期待される効果は?(新技術活用のメリットは?)
・コンクリートまたはモルタルの収縮ひび割れが低減されます。
・短繊維を添加するので、剥落防止機能が付与されます。
・コンクリートまたはモルタルに靭性(タフネス)が付与されます。
 梱包形態(タテ45cm×ヨコ27cm、内容量455g) |
適用条件 |
@自然条件
・特になし。
A現場条件
・特になし。
B技術提供可能地域
・技術提供地域については制限なし。
C関係法令等
・特になし。 |
適用範囲 |
@適用可能な範囲
コンクリートまたはモルタルを使用する箇所。
A特に効果の高い適用範囲
頻繁/容易に補修/改修ができないような構造物/部位。
B適用できない範囲
特になし。
C適用にあたり、関係する基準およびその引用元
・土木工事標準仕様書(東日本旅客鉄道株式会社編) 附属書8-5
・コンクリート標準示方書 設計編 |
留意事項 |
@設計時
・標準添加量はコンクリート配合1m3に対し、外割りで0.1vol%(910g/m3)となります。
・使用材料、現場採用配合によって、繊維添加後のフレッシュコンクリートの物性値(スランプ、空気量など)が変わります。予め、試験練りにより繊維投入後のスランプダウン、空気量の変動値を考慮し、ベース配合の設定を行って下さい。
A施工時
【アジテータ車での練混ぜ作業】
・繊維の投入は、必ず、アジテータ車のドラムが高速回転(攪拌)している状態で行ってください。また、ドラムの回転羽根に向けて、1袋づつ投入してください。
・2袋目以降の繊維の投入は、ドラム内で前に投入した繊維の袋が破れたことを確認したら、行ってください。
・所定量の繊維を投入した後は、引き続き、2〜3分間高速攪拌を行ってください。
・高速攪拌終了後、コンクリート排出口付近へ繊維が多く付着した場合は、ドラムを正転・反転させ攪拌した生コンクリートで繊維を混ぜ込んで下さい。
・多くのアジテータ車へ繊維を投入する場合は、作業の安全性/確実性の観点から、簡易足場、高所作業車の使用をお勧めします。
【ミキサでの練混ぜ作業】
・ベースコンクリートまたはモルタルを練上げ、それに繊維を投入し練混ぜることを基本として下さい。繊維投入後の攪拌時間は、1分間程度を目安として下さい。
・練り混ぜ量に応じて攪拌時間を調整して下さい。
・配合条件によって練り混ぜ時間は異なりますので、都度確認して下さい。
【ポンプ圧送時】
配管の際の絞り管は、閉塞の恐れがあるので使用は避けて下さい。
B維持管理等
・直射日光を避け、雨に濡れないように保管して下さい。
・高熱で溶ける(融点160〜170℃)ため火気に近づけないようにして下さい。
・製品は濡れた状態で使用しないで下さい。
・雨天時の工事では、その現場でのコンクリート工事の雨天対策に従って下さい。
Cその他
・繊維が添加されたコンクリートを廃棄する場合は、産業廃棄物処理業者に処理を委託して下さい。 |